雪駄ウレタン底の特徴

雪駄はその名前から分かるように、積雪時に活躍する草履でもあります。元々は雪の積もった場所で履きやすいように工夫されて作られたとも言われていますが、更に雪や雨に強いよう特化したタイプもあります。それが、ウレタン底です。他の製品ではスポンジや皮と言ったように、どうしても水分を吸収してしまう素材が使われています。アメ底は水を寄せ付けないのですが、それは裏面だけの話であって、側面までは守りきれません。ウレタン底であれば、側面部分も全て耐水性の同じ素材で出来ているため、表部分以外に水が入り込む心配がありません。ただ、一つ注意点があります。それは加水分解と呼ばれる、破損現象です。ウレタン素材はある程度硬さもあって丈夫な素材です。しかし、多量に使う事によって内部が化学反応を起こして劣化し、加圧によって破裂する事もあります。もちろん長く使い続けた場合に限りますが、水分を当て過ぎるとこうした現象が起きやすくなります。いくら水に強いとは言え、ウレタンは水によって化学変化を起こす弱みを持っている事を覚えておいて下さい。明らかな劣化が見られる場合は、すぐに買い換えるのがポイントです。水分が付着した後はすぐに乾かすと言った管理がしっかり出来ていれば、多少の事では劣化しません。他の安物の材質よりも長持ちしやすい事は確かですので、安心して使って下さい。

ウレタン底の雪駄は、道の悪い箇所や水が浸っている場所でも難なく歩く事が出来るため、長靴仕様の雪駄と言った感覚で使われています。つま先の先方に雨を避けたり、跳ねた水を入れないようにするためのカバーが付いた商品も多く、主に悪天候下で使う雪駄として知られています。カバー付きの雪駄は一体型となっているため、取り外しが出来ないデメリットがあります。雨が降っていない時にも使いたい方には向きません。また、晴れた日の取り扱いには少し注意が必要です。ウレタンとは化学的な性質上、熱や紫外線に弱い面を持っています。つまり、真夏の熱せられたような路面で扱うと劣化が早まる可能性があります。晴れた日に兼用する方もいますが、実際は寿命を縮めてしまう恐れがあるので非推奨です。兼用する際には、日差しの弱い日に限定するのがベストな使い方です。洗った後に干す際にも、日光を当てないように注意しましょう。熱と紫外線の2方向から素材の分解が進んでしまうため、干す場合は必ず陰干しや部屋干しをして下さい。そうした悪影響をしっかり避ける事を心掛けて使えば、5年くらい長期間に渡って使い続けられます。扱い方・手入れの仕方によって寿命が変化しやすいのが、ウレタン底雪駄の最大の特徴と言えるでしょう。

ウレタン底の雪駄は"時雨履き"とも呼ばれ、雨天時に使うようなイメージが大きいのですが、実は化学的な観点で見るとそれ程水に特化している訳ではありません。正しくは弾力性が強く、耐摩耗性に優れ、油に強いと言うのがウレタンの持つ本来の特徴です。通常のゴムと比較すると水に強い訳ではありませんが、多少の耐水性がある事は事実です。確実に水を弾いて欲しい場合は、アメ底等のゴム製を使うのが正解です。油に強いと言う意味では、飲食店の調理場で使うのに適していると言えます。それでもウレタン製の時雨履きが一般に普及しているのは、やはりその丈夫さやスッキリとした見た目が評価されているからでしょう。他のゴム製や皮製の底をしている雪駄は、履き古す事で少しずつ剥がれて行きます。剥がれると見た目にも悪く、使いものにならなくなってしまいますが、ウレタン製ならこうした現象は起きません。ウレタンの場合は素材が少しずつ劣化して行くだけなので、見た目に大きな影響が出にくい利点があります。また、側面も裏面も黒で統一されているので、雪駄本体のデザインをあまり損なわせません。黒い底のデザインは男性ならクールな印象に映りますし、女性なら高級感を感じさせてくれます。最近ではデザインもたくさん取り揃えられているので、底の色と合わせて好みのデザインを選んでみましょう。