飛脚の腹掛はなぜ着るの?
祭装束としてなじみ深い腹掛けですが、それがどういうものなのかご存知でしょうか?
腹掛けとは、衣服の下に付ける保温用の補助衣としての役目を持つ服のことです。
伝統的な日本の着物は開放的な作りになっているので、帯をきちんと締めるか袴で着込めるかしないと前がはだけてしまいます。
そこで、胸やお腹が冷えないように保護するための補助衣として発達したのが腹掛けです。
また作業着のひとつとして江戸時代に広く普及したことから一般に庶民階級の男性が着用することが多かったようです。
見た目は日本昔話に出て来る『金太郎』や、ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』の主人公、千が着ていた前身頃のみの衣服を想像して頂ければ間違いありません。
西洋の洋服が普及した現代で腹掛けを着る機会はお祭りなどの伝統行事が主になりましたが、金太郎や千の様に子ども、取り分け乳幼児の肌着としては今でも腹掛けを着させる親が多いようです。
また江戸時代の作業着として腹掛が普及したと言いましたが、江戸時代に郵便配達員の役割を持った飛脚も正式な衣装として着用していました。
腹掛は保温の役割を持つので身軽に走る飛脚にとってうってつけの制服だったのかもしれません。
今でさえ着る機会が少なくなりましたが、その素材等改良を重ねて時代のニーズに沿って進化しています。
これを機に腹掛を一枚入手しておくのも悪くないかも知れませんね。
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