日本各地では伝統的なお祭りが残っています。
中でも山車や神輿が繰り出るお祭りは、勇壮で見ごたえがあります。
こうしたお祭りでは、足袋や祭り雪駄を履いている姿を目にします。
確かに、山車や神輿の上に乗る場合、足場が悪いうえで激しく動くため足袋が最適となりますが、下で神輿や山車を担ぐ人の多くは足袋ではなく雪駄を履くことが多いのです。
祭りで雪駄を履くようになったのは、祭りを威勢づけるために水を掛けることが多く、足場が濡れて滑りやすくなってしまいます。
このため、足袋だと足に染みてきてしまい、草履では滑るので、裏に金属が張り出している雪駄のほうが滑りにくくなるのです。
また、祭りが最高潮となると激しく動くため、丈夫な履物でしかも安全性が高くなくてはいけません。
祭り雪駄は、底が皮で出来ているため、非常に丈夫なうえ、通気性がよいので足も蒸れることはありません。
最近では、靴で神輿や山車を引く光景を目にすることがありますが、安全性は高いのかもしれませんが、祭り情緒としては台無しとなります。
祭りに雪駄が用いられる理由として、祭り雪駄の裏に金属が張られており、滑り止めの役目の他に、歩いた時に独特の音が出て、山車や神輿を引くときお互い息を合わせやすくなるのです。
賑やかに笛や太鼓の音色につられて楽しくなるお祭りですが、お祭りに欠かせないものとして祭り雪駄があります。
祭りには色々な形態がありますが、雪駄はその祭りの形態に応じて履かれています。
祭りで祭り雪駄が履かれるケースとしては、神輿や山車、獅子舞など神事に纏わるお祭りのときに履く習慣があります。
このことは神社の神主や巫女が雪駄を履くものと同じ考え方で、神聖な神に仕え、これをたたえる祭りも神聖なものとされています。
このため、古くからある祭りの多くが女人禁制となっています。
祭りで祭り雪駄が履かれるようになったのは、草履では脱げやすく激しい動きにより草履が壊れてしまうため、丈夫な雪駄が用いられるようになったとされています。
神輿の上に乗ることは、足袋を履いていますが、下で神輿を担ぐ人は足袋に雪駄を履いています。
では、なぜ足袋でなく雪駄なのでしょうか。
雪駄は、裏面が革でできており、さらに金属が打ち込まれています。
雪駄で歩いたことのある人であれば、雪駄独特の音がでることに気付くことになります。
祭りで神輿や山車を担ぐ人が祭り雪駄で歩くたびに、祭り雪駄と地面とで擦れる音が鳴り、この音が神輿や山車を引くときのリズムとなり息を合わせるのに用いられているとされています。
勇壮な神輿祭りを見ているだけでも、熱くなってきます。
昔は女人禁制で、女が神輿に触れることを禁じられていましたが、最近では女性専用神輿もあるほどで、男女に関係なく神輿祭りが行われるようになっています。
神輿祭りを見ていた気が付いた人もあるかと思いますが、大抵の人は祭り雪駄を履いています。
しかも自分の足よりも小さい雪駄を履いているのです。
昔買った雪駄が足が大きくなったので、足が雪駄からはみ出しているのではありません。
これは、ワザと足が雪駄からはみ出すように履くのが活きとされ、江戸時代から伝わっています。
昔は喧嘩神輿と言われ、神輿どうしを激しくぶつかり合うのが祭りでした。神輿を担ぐ衆は、足を踏ん張らせるために、足の後ろが雪駄からはみ出すように履いたとされています。
しかも、雪駄が脱げないよう、足と雪駄を紐でくくりつけて履くのも、江戸時代に編み出された雪駄を履く技となっています。
最近の祭り雪駄は、女性も履くことから花柄やキャラクターをあしらった雪駄も人気となっており、雪駄も時代とともに様変わりしています。
また、子ども用の祭り雪駄も人気となっており、お揃いの祭り雪駄でお祭りに出かけるのが流行りとなっとなっています。