股引の乾し方って?

安い値段で売られているような股引きであれば、普通の乾かし方でも問題がありません。竿やハンガーに形が崩れないように吊るして、普通のパンツと同じような感覚で干して下さい。ただし、比較的高価な藍染めの股引きに限り、注意しましょう。染めている股引きは、染料が染み込んでいるため、日差しによる影響を多分に受けてしまいます。そのため、絶対に股引を外で干すような事がないように注意して下さい。色褪せを引き起こしてしまい、見た目が悪くなってしまいます。色ムラ等の原因に繋がる事もあるので、股引の見た目を損なわないようにするためにも陰干しをしましょう。雨が降っている環境下では湿気が充満しているため、部屋干しは嫌な臭いを出してしまう恐れがあります。天気予報をしっかり確認し、部屋干しに適した乾燥した日を選んで股引を乾かしてあげましょう。もし梅雨の時期などで雨が続いてやむを得ない場合は、ドライヤーや扇風機などを活用して乾かしましょう。ただし、これらは全て遠くから優しくあてるようにして下さい。ちなみに乾燥機を使うのはNGとされています。そのため、乾燥機以外を使って人工的に乾燥させる際には、控えめな加減でじっくり行って下さい。

藍染めの股引きは非常にデリケートなため、取り扱いには細心の注意を払って下さい。洗う作業までは正しく行えていても、乾燥させる段階で間違えた方法を取ってしまうと、股引きの色合いが台無しになってしまう事もあります。普通、洗濯物を乾かすと言えば、もちろん太陽の光にあてて外で行います。ところが、藍で染められた股引きについては、この当たり前の行為が厳禁となっています。何故ダメなのかと言うと、直射日光によって藍がダメージを受けてしまうからです。太陽の光で、股引に付着した菌を排除したいと考えたい所なのですが、実は藍の原料自体が菌を抑制する効果を持っています。そのため、股引は陰干しをするだけでも、細菌は通常の服よりも寄り付きにくいのです。陰干しは、時折菌を繁殖させてしまう事もありますが、染料が独自に持つ力によって股引が清潔に保たれるのです。また、嫌な臭いを消す効果もあると言われているため、部屋干し独特の異臭も発生しにくい特徴があります。これらの特徴を知っていれば、室内の暗い場所で干しても問題がない事がよく分かります。藍染めとは、ただ単に見た目が美しいと言うだけでなく、中身がともなった素晴らしい染め物なのです。

股引きはお祭りの時期にピンポイントで着用する事が多いため、ほとんどの場合は、使い終わると次のお祭りの時期まで収納スペースに眠る事になります。大切に扱いたい衣装だからこそ、シワにならないように乾かす配慮が必要不可欠です。乾燥させる際には、しっかりと股引きのシワを伸ばした状態で干すように心掛けて下さい。普段着は何度も洗濯を行うため、シワの寄り方がランダムになりますが、ほとんど洗わない股引きはシワが一旦付くと偏ってしまいがちです。形に濃く残ってしまうようなシワが付くと股引の見た目が損なわれてしまいますので、干す時にはきちんと両端を持って伸ばしてあげましょう。この時、力を入れすぎると股引の生地を傷めてしまうので、優しく伸ばすのがコツです。また、藍染めの股引なら尚更優しく取り扱う必要があります。シワに注意しながらも、太陽の光になるべくあてないように気を付けなくてはなりません。くもりの日でも紫外線は放出されていますから、室内に干す際にもカーテンをしっかり締めると言った対策を怠らないで下さい。蛍光灯の光も退色する原因になる事が分かっているので、部屋の灯りも控えるようにして下さい。そうすれば、状態の良い綺麗な藍の色合いを保ち続ける事が可能です。股引を複数回洗う事によって現れる色の変化にも、より一層楽しみが広がります。

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