股引とゴム股引きの特徴

紐で結ぶ事から、着こなしが難しい祭りズボンとも言われる股引きですが、近年ではゴムを取り付けたタイプが人気を呼んでいます。ウエスト部分がゴムになっているため、煩わしい結ぶ作業をしなくて済みます。一般的な祭りズボンである股引のように、股の部分に割れが入っていたりと特殊な構造になっている事はないため、履くのもたたむのも非常に便利です。子どもに股引を履かせる際には普通だと苦労する事もありますが、ゴム紐なら子どもでも自分で履けるくらい簡単です。パッと見ただけでは、普通の股引きと変わらないくらい違和感もなく、お祭りの空間に自然に溶け込めます。それでも更に見栄えにこだわりたいなら、タイトに絞られたゴム股引きもあります。基本的にはブカブカとした、少し大きめのサイズが出回っているのですが、スリムタイプも売られています。ストレッチの利いた生地や素材を使った股引きも多いので、運動に特化した動きやすい服としても使えます。より精密なサイズ感に拘る方や、本格的な祭りズボンを望む人にとっては物足りなく感じるかもしれません。しかし、全て綿素材で製造した普通の股引きもあり、ゴムと言ってもバリエーションは豊富なので、自分の好みに合った製品が手に入れられます。

現在、祭りズボンとして履かれている股引きは、2種類のタイプから選ぶ事が出来ます。左右に違う長さの紐があり、ウエストから股に掛けての作りが特徴的な従来のタイプと、ゴム紐で縛られたズボンタイプです。ゴム股引きは、誰もが気軽に着用出来るようにと後になって開発されたものですが、紐を腹掛や袢纏で隠してしまえば見た目はほとんど同じです。ゴム股引きは、祭りズボンとしての伝統を大切にする人からは敬遠される面もありますが、周りの人達に違いを突っ込まれる事がほとんどないくらい、自然な出来になっている製品もあります。選ぶ上では精神的な気持ちの面が強いのですが、藍染加工を施したゴム股引も売られているので、一概にクオリティが低いとは言い切れません。あくまで快適に履けるように作ってあるだけなので、安いだけに留まらない良品の股引も多くあります。その履き心地の良さから、太鼓やその他の和楽器演奏者に大きな支持を得ており、特に動きやすさを重視するシーンで活用されています。サイズは江戸一股引のように細かくは選択できませんが、ストレッチ系の素材を使っている事も多いため、自然な感覚で履きこなせる祭りズボンです。長い時間履き続けて動いても疲れにくいメリットも喜ばれるポイントとなっており、若い世代を中心に大きな反響を呼んでいます。

ゴム股引の中には、海外製のクオリティが劣る安物製品もありますが、商品や買う場所をしっかり選べば良品を手に入れる事が出来ます。良いゴム股引は、まず幅や大きさが適当ではありません。シルエットも股引独特の風合いを尊重した作りになっており、お祭りズボンとしてカッコ良く決まる見た目になっています。実際に履いてみなければ分からない部分でもあるので、モデルが着用した画像を見たり、実際に試着する事で確認して下さい。特に股引の膝から下は、少し細身になっている方がお祭りズボンとして粋に見えます。また、ウエストゴムの絞り加減にも違いが見受けられます。キツくて調整しにくいものでも、緩すぎて履き心地の悪いものでもなく、程良い絞りになっているゴム股引きを選びましょう。それから、ポケットの付いている場所やその数も意外と重要です。股引きはお祭り時にずっと着用するものなので、スマートフォンやメモ紙・タバコ・カギ・ハンカチと言った所持品を収納しておくのに非常に便利です。前だけでなく、後ろに付いていると煩わしさが軽減されるため、お尻にポケットがあるかどうかも見ておくと良いでしょう。ゴム股引きには、野暮なイメージのダボっとした大きさの製品もありますが、案外スリムな種類も売られています。もし、お祭りズボンにしては大き過ぎると判断した場合には、裾を軽く縫い合わせて調整しましょう。値段が安いため、そうした加工が気楽な気持ちで出来る点も良い点です。

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