刺子の股引

刺子の股引は、お祭り、柔道、火消し衣装と股引の定番アイテムとして親しまれています。
藍染刺子股引と言えば象徴的な江戸スタイルという認識もあるくらいで、刺子の股引の持つインパクトは大きいです。
では刺子である特徴を紹介していきましょう。

まず、何故刺子が股引のような類いの衣類に親しまれているのでしょうか。
刺子の歴史は飛鳥時代にまで遡りますが、その時代、刺子で縫う理由としては、防寒、補強というものが大きく、また魔除け、装飾などとしての意味も持ち合わせていたそうです。
徐々に刺子は丈夫さがウリのものであるという認識が広がり、江戸時代には火消しの刺子半纏、頭巾にはびっしりと刺子が施されていたそうです。

そしてすぐ、一般用の作業着としての股引が出現しました。
当時、刺子が施された股引は機動性に優なかったそうです。
それでも、江戸時代には刺子の股引が大流行しました。
さらには、さらに身軽さが落ちるにも関わらず、「股引は肌にぴっちりとつくようなものがよい」という認識が生まれました。

確かに、動きやすさという点では刺子の股引というものは劣りますが、それでも時代柄、外での作業は火災などの安全性の不確かさがあったのでしょう。
夫が外で作業するのに、けがをしないように。
そんな思いを具現化するように刺子の股引は生まれ、現在にも思いが形となり受け継がれているのです。