江戸時代の股引は?

皆さんは股引という衣類をご存じでしょうか。
時代劇で職人の人がよくはいているのを見ますが、その穿いているものこそが股引なのです。
江戸時代ではよく身に付けられ、職人の作業着のみならず下着としてもよく利用されてきました。
作業着としては半纏や腹掛と一緒に身に付けられていました。

股引の特長は穿いた時に脚が密着するように作られていることです。
この利点を生かして、冬場は保温や防寒に最適な下着となり、皆さんが知っているいわゆるズボン下として利用されてきました。
脚を細身に作ることをいなせとしていて、極端に密着するものは竹の皮を当てて、かかとを滑らせないとはけないというほど、細く仕立てられました。

股引は木綿地で作られるものが多く、紺木綿や白木綿などがあります。
また絹地で作られたものもあり、江戸ではそれをパッチと呼んで使われていました。
一般的に紺無地木綿に浅葱木綿の裏をつけて、袷仕立てにしてつくられました。
また、夏用の股引として、白木綿や縦縞の単になっているものもありました。

はくときには付いている紐を結んではけるようになっています。
股引は作業着として最適なもので、腰の屈伸が自由にできることが特長です。